saku
UIを思索することが好きです。Web Frontend Developer @Cybozu, Inc.
LT: Promise.try: シンプルで強力な同期/非同期統合の未来 - 実装の深層とPromiseの進化
- Japanese
JavaScriptの世界では、同期処理と非同期処理の共存が長年の課題でした。この課題に革新的な解決策をもたらすのが、現在Stage 3にあるPromise.tryです。 本LTでは、Promise.tryの可能性を探るとともに、より大局的な文脈でのJavaScript Promise進化の潮流を考察します。 まず、Promise.tryの概要と、それがもたらす可能性について深堀りします。従来の同期・非同期処理の混在におけるコード複雑性と、それがもたらす潜在的なバグのリスクを具体例で示します。続いて、Promise.tryがこれらの問題をいかにシンプルに解決するかを紹介します。 さらに、JavaScriptCore(JSC)のソースコードを簡単に紐解きながら、Sindre Sorhusのp-try、BluebirdのPromise.try / Promise.attemptなどの既存のライブラリ実装との比較をすることで、エンジンレベルでの最適化の一端を覗き、各アプローチの特徴を浮き彫りにします。 Promise.tryは、近年、ECMAScriptの仕様に追加されているPromise関連の機能(例:Promise.allSettled, Promise.any, Promise.withResolvers)などに並ぶ、Promise処理の簡素化と堅牢性の向上を目指す大きな流れの一部です。 この文脈で、近年のJavaScript Promiseのあゆみ、そして今後どのように進化していくのかを考察していきます。 JavaScriptの進化に興味のある開発者、より洗練されたエラーハンドリング手法を求める方にとって、本LTが新たな視座を提供する機会となれればと思っています。